福岡市環境局からグリーストラップで収集した油脂・汚泥の処理について周知の依頼がありました。グリーストラップとは下水道への油の流出を防ぐ装置で、業務用の厨房その他調理場等で設置が義務付けられており、グリーストラップの油脂と汚泥は産業廃棄物になります。
事業活動によって生じた油脂・汚泥は産業廃棄物になり、家庭ごみや事業系一般廃棄物としての処理はできません。油脂・汚泥の処理は、産業廃棄物処理業者に委託するようになっています。
投稿者「福岡ビルメンテナンス協会」のアーカイブ
ビルの省エネ指南書(65)
空調のチューニングポイント
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
温度・湿度・日射・風(2)
5、効率的な設置方法
風通しを良くしながら、ショートサーキットを防止して、壁の影響が最も少なくなるように設置するにはこのようにすればよい。

冷媒配管を無理に捻らないように注意しながら配管全体を使って、少しずつ室外機の向きを90度変えるだけなので、これならば時間もお金もかからず、誰でも簡単にできるだろう。
壁から離れるので、壁の影響を受けることも無くなる。吹き出し側にも吸い込み側にも障害物は無いので風通しは最高だ。ファンから吹き出した暖かい空気を再び吸い込むショートサーキット状態になることも無いはずだ。
全く雨がかからない室外機の放熱器は汚れが蓄積する一方だが、これならば少しは雨がかかるので、放熱フィンの汚れも洗い流される。放熱フィンが汚れたとしても、簡単に水をかけて洗うことができるので掃除時間も節約でき、放熱フィンを傷つける心配もないだろう。
不快指数冷房といっても全く除湿をしないわけではないので、ドレンホースから排水があれば、室外機裏側の床面に流れるようにホースの位置を調整しておけばよい。ドレンの水温は低いので床面の温度も下がり、蒸発した水の気化熱で吸い込み側の空気温度を下げる効果もある。
このようにしてドレンからの排水を利用して室外機周囲の温度を下げることで、室外機の放熱効果を高くすることができる。ベランダ通行の邪魔になると思う人がいるかもしれないが、頻繁に通行することはないのだから、気にしなければよいだけだ。節電のためには小さなデメリットよりも大きなメリットを優先させるべきだろう。
このように室外機も温度・湿度・日射・風の影響を受けているのだから、防止できるものは防止して、利用できるものは効率的に利用できるように設置方法を変えるだけでも省エネになる。
簡単に動かすことができるのは、家庭用エアコン限定になるかもしれないが、室外機の効率的な設置方法のポイントを理解してほしい。
6、外気温度と消費電力
不快指数冷房(9)の54日間の計測中で、非常に天気の良かった8月22日~23日の時間帯別の消費電力量である。23:00~7:00の間は比較的に消費電力量の少ない日であった
① 23:00~2:00は390W② 2:00~7:00は520W
③ 7:00~9:45は830W
これを1時間当たりに換算すると。
① 130Wh
② 104Wh
③ 302Wh
23:00にエアコンの運転を開始しているので、①は冷房立ち上がり時の負荷がかかっており、②よりも消費電力量が多くなっている。外気温度が上昇した③は、まだ朝の時間帯だが②の3倍近くまで消費電力量が増えている。
室内で発生する冷房負荷は一定のままで、カーテンは遮光カーテンを二重にしているので、室内への日射の影響は限定的である。この3倍近い消費電力量の差は、室外機の放熱効率の影響だと思ってもよいだろう。
この日は外気温度だけではなく、日射によってベランダの温度が上がり、室外機の放熱効果がかなり悪くなっていたようだ。深夜2:00~3:00の1時間の消費電力量ならば②の104Wh以下になっていたはずだ。
13:00~16:00の冷房ピークの時間帯と比較すればどうなるであろう。日射の強い日ならば、1時間の消費電力量が500Wh以上になってもおかしくはない。天気次第では、昼間は夜間の5倍以上の消費電力量になる可能性もある。
室外機への温度と日射の影響でエアコンの消費電力量がこれだけ違ってくるのだから、室外機は省エネ対策の重要ポイントである。ビルも同様である。日当たりの良い位置に設置されている室外機ならば、夜間に冷房してビル内を冷やしておくのもよいだろう。冷水を循環させて冷房しているビルならば、外気温度の低い夜間のうちに冷水温度を下げて、配管へ蓄熱することも有効である。
7、室内での省エネと室外での省エネ
冷房温度を1℃上げれば、10%前後の省エネになると云われている。エアコンで不快指数冷房をおこなえば30%の節電になるかもしれない。さらに室内側で省エネ対策を行うには、建物の保温工事や窓ガラスからの熱の侵入を防ぐために費用をかけることが必要になるだろう。
エアコンの省エネは室内の冷房負荷を減らすだけではなく、室外機から効率よく放熱させることも大切である。室外機の省エネ対策で一般的なものに遮光がある。遮光シェードなどが市販されているので利用するのも良いだろう。

この写真では、日射が遮光シェードを通過している。このような遮光シェードでは僅かな遮光効果しか期待できないことが分かる。空気も通すのでショートサーキット防止効果もない。
黒色の遮光シェード自体が熱を帯びた結果、遮光シェードを通過して放熱器に入る空気の温度が上がれば、遮光シェードの意味がなくなる。窓の遮光にはよいかもしれないが、室外機には不向きな遮光シェードといえるだろう。せっかく遮光シェードを取り付けるのならば、光も空気も通さないものの方が良いのだが、強風時のことも考えなければならない。台風の時や冷房時期が過ぎれば、遮光シェードを取り外せるようにしておくほうがよいのだが、これが結構面倒である。何台も室外機があれば、とても短時間でできることではない。
耐久性の問題も重要である。風に煽られて簡単に破れるようでは困る。1~2年で劣化するような材質のものも駄目だ。風を通さない方が良いが、室外機への風通しが悪くなってもいけない。
この南向き室外機の遮光対策を考えてほしい。条件を以下にまとめてみた。
○日射防止
○ショートサーキット防止
○放熱器への風通しを妨げない
○放熱器への吸い込み空気温度を上げない
○強風に耐える取り付け方法
○強風に耐えられる材質
○経年劣化し難い材質
○費用は最小限
○設備管理員が施工できる
都市ビル環境の日 第8回子ども絵画コンクール
無期転換ルール導入に係る促進キャンペーン周知協力依頼について
「無期転換ルール」は、平成25年4月施行の改正労働契約法第18条で規定され、有期労働契約が更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込により、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる、というものです。
平成30年4月から始まり、契約社員やパートタイマー、アルバイト、派遣社員などの名称は問わず、契約期間に定めがある「有期労働契約」が同一の会社で通算5年を超えるすべての方が対象です。
無期転換ルールへの対応は、中長期的な人事管理もふまえ、無期転換の役割や労働条件などを検討し、社内規定を整備するなど、一定の時間を要します。円滑な導入を目指して、平成29年9月、10月は「無期転換ルール取組促進キャンペーン」期間となっています。
つきましては、各社においての導入整備および労働者への周知方よろしくお願いいたします。
詳細は無期転換ルールポータルサイト(http://muki.mhlw.go.jp/)を参照下さい。
ビルの省エネ指南書(64)
空調のチューニングポイント
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
温度・湿度・日射・風(1)
冷房ではこの4項目の影響を考えながら、省エネチューニングをおこなえばよい。
1、温度・湿度
外気の温度や湿度が高ければ高いほど、ビルの冷房負荷は高くなる。
窓ガラスは熱を伝えやすいので、「ブラインドとカーテン」の項目で説明したように、ブラインドとカーテンを二重で使用できれば遮光・遮熱・保温に効果があるだろう。室内が暗くなるが照明が点灯しているのならば問題は無いはずだ。冷房がピークとなる日のピーク時間帯だけでもよいので、ビル内の全員が節電に協力できる体制を構築しておきたい。
屋上の熱が下に伝わり、最上階の冷房負荷となるビルでは、天井裏の保温をおこなうことが可能なのかを検討したい。
換気量もできるだけ少なくするのが良いが、調整ができないのであれば、換気扇を間欠運転するのもよいだろう。
外気の湿度も温度と同様だが、湿度の場合は侵入防止を考えるのではなく、不快指数冷房で除湿を少なくするだけでも、冷房負荷を減らすことができる。
エアコンの室外機周囲の温度も低いほうがよい。ショートサーキット状態になっていれば温度が高くなるので、室外機吸い込み側空気温度が外気温度よりも高いようであれば、外気温度に近くなるように工夫をしたい。
2、日射
日射のある13:00~16:00が冷房ピークの時間帯になるだろう。温度と同様に窓ガラスがポイントだが、できれば窓ガラス自体に日射が当たらないように工夫したい。窓ガラスの外側に葦簀などを立てて日射が当たらないようにできれば非常に効果があるが、1階の窓以外は難しいかもしれない。日射は屋上や壁の温度を上げるので、対策が必要だ。高価な遮熱塗料でなく、白色の塗料を塗るだけでも反射効果はある。壁も白色が良いので、大規模改修時に検討してはどうだろうか。
日射が当たっている白色の壁と白以外の壁を手で触ってみるだけでも、色の違いによる日射効果が分かるはずだ。この熱がビルの中へと伝わっていき、冷房負荷となるのだ。
日射を体感するには自動車が最適だ。真夏のできるだけ風のない時に炎天下の駐車場に停まっている白色の車と濃い色の車の間に立ってルーフを左右の手で同時に触ってみるのだ。
濃い色の車は手を置いておられないほど熱いが、白色の車は暑いとは感じないだろう。この違いを体感できれば、日射が冷房にとっていかに大敵なのかが実感できるはずだ。
エアコン室外機の放熱フィンに日射が当たっている状態を考えたら、効率的な放熱ができるはずがないことが分かるだろう。
日射は間接的にも室外機に影響がある。壁を背にして設置している室外機は、日射により壁の温度が上がれば、壁の温度により室外機周囲の空気も影響を受けて温度が上がる。
壁の色が濃い色ならば、壁の熱を室外機が吸い込んで放熱効果が悪くなってしまうだろう。壁や床への日射の影響により室外機周囲の温度が外気温度以上に上がるのならば、温度と日射の影響を最小限にする設置方法を考える必要があるだろう。
3、風
風は建物の表面から熱を奪ってくれる。人間と同じように風があればビルも涼しいので、風が強いほど冷房負荷は少なくなるはずだ。
ビルの場合も車と同様に、白色が最も日射を防ぐ色と云えるのだが、車の場合は走行するという点が大きな違いである。
駐車している車は濃い色の車の車体が熱くても、走行中の車は濃い色の車も白色の車もそれ程表面温度に違いは無いのだ。これも風と同じように空気が温度を奪ってくれる効果なのだ。
ビルの場合は車のように動くことが出来ないので、風は自然任せとなるが、エアコンの室外機はどうだろうか。エアコンはファンで強制的に風を起こし放熱することが出来る。
しかし、同じファンであっても、風通しの悪い置き方をしていれば放熱効果も違って来る。風量は充分にあっても、放熱器全体に風が流れていなければ、放熱器が小さくなったことと同じで、放熱効果が悪くなる。
室外機の設置は、できるだけ建物温度の影響を受けず、ショートサーキットを起こさず、日射が当たらず、風通しの良い場所で風通しが良くなる置き方になるようにしたい。
4、ベランダの室外機
エアコン室内機で行う不快指数冷房もそうだが、省エネは費用をかけず、手間をかけず、簡単であるのが一番である。これならば誰でもが、今直ぐにでも行うことができるからだ。
これはベランダに設置している室外機である。このような設置方法はよく目にするはずだ。この室外機の省エネは「温度・湿度・日射・風」の影響を考えておこなえばよい。
エアコンは、室外機の風通しが良くなるように設置すれば、効率的な放熱ができるのだが、この室外機の設置方法は非常に風通しが悪いことが分かる。室外機ファンから出た熱気が前方の壁に当たって跳ね返って来れば、室外機周囲の温度も上がるだろう。手摺りが格子状であればファンからの吹き出し空気が外に抜けるのだが、このような空気を通さない手摺りでは風通しが悪くなってしまうので熱気がこもってしまう。
壁面との距離ももう少し離したほうが良いのだが、それでは益々手摺りとの距離が近くなり、ショートサーキットを起こしやすくなる。
手摺りよりも高い架台に載せて、壁側ではなく手摺り側に設置できれば温風が外に抜けやすくてよいのだが、それでは冷媒配管の固定が問題であり、手間も費用もかかってしまう。
大きな架台では邪魔になるし、小さな架台では転倒防止のために固定しなければ危険だろう。費用をかけてまですることではない。
壁は白色なので日射の影響は最小限で済むが、もし濃い色の壁ならば、日射で壁の温度が上がり、壁の熱が室外機裏側の温度を上げ、その熱が放熱器に流れれば、室外機周囲の温度が上がるのと同じことになってしまう。
しかし白色の壁に日射が当たれば光が反射して、放熱フィンに当たる可能性もある。壁の色は建物だけではなく、エアコン室外機の放熱効果にも影響するのだ。
この写真の室外機の設置方法は簡単であり、転倒等の危険もないが、温度と日射と風の三つの項目においては効率の悪い設置方法である。
省エネのためには室外機の放熱効果が良くなる設置方法を考えなければならない。
お金を使わず、簡単に、室外機に対する温度と日射と風の三つの悪影響を無くすには、どのような設置方法がよいのだろうか。
第66回理事会報告
ビルの省エネ指南書(63)
空調のチューニングポイント
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
不快指数冷房(12)
53、給気温度と風量
給気温度は「微風」運転よりも「強風」運転のほうが高くなるので、「強風」運転で冷気を上手く拡散させれば、風が直接当たっても、「微風」運転ほどは冷たくは感じないはずだ。
しかし、給気風量が多くなれば、給気口正面の人に冷気が当たり、寒く感じるかもしれない。最初は気持ちの良い冷風であっても、長時間同じ風に当たっていると寒くなるからだ。
風向きが下になると、直接人に当たり易くなるので、できるだけ横向きの給気にして、冷気が拡散するようにしたい。
冷気を拡散させる製品もあるので、いろいろと試してみて、仕事に支障のない冷房環境を創りながら、不快指数冷房をおこなえばよい。
54、エアコンによる不快指数冷房
同じ室内の冷房負荷に対して、エアコンの冷房能力が大きいほうが、余裕のある冷房が出来るので、冷却器での結露が少なくなり、結露しても「強風」運転による風で蒸発しやすくなる。
1室に室内機が2台あるとすれば、1台運転するよりも2台運転して、1台当たりの冷房負荷を軽くすることでも同様の効果がある。
ON/OFF制御のエアコンだとすれば、冷房能力が大きいほうがONの時間が短くなり、OFFの時間が長くなると思えばよい。冷却時間が短くなれば除湿時間も短くなるだけではなく、ONの時間に冷却器で結露しても、OFFの時間で蒸発して室内に湿気が戻ってくるからだ。
インバーター制御の場合は、設定温度になれば周波数を下げて冷房能力を下げるので給気温度が上がり、それだけ除湿量も少なくなる。
1台の室内機にかかる冷房負荷が多いと、コンプレッサーが休みなく動き続け、インバーター制御のコンプレッサーならば運転周波数も上がり、冷房能力の小さなエアコンでは定格周波数以上で運転しなければならなくなるだろう。
コンプレッサーが最大周波数で運転をしていたのでは、除湿が増えるのは避けられない。
これではいくら「強風」運転にしても、結露が多くなり、結露が蒸発せずに排水されてしまえば、不快指数冷房効果が少なくなってしまう。
不快指数冷房は、余裕をもって冷房できる能力のエアコンほど節電効果が高くなり、部屋の冷房に必要な能力以下の余裕のないエアコンになるほど節電効果が期待できなくなるので、全く節電にならない場合もあるかもしれない。
55、ドレン
ビルの場合はエアコン室内機のドレン配管が露出しておらず、目視できない場合が殆どなので、排水を直接確認することはできないが、家庭ならば室内機のドレンホースを辿っていけばホース先端からの排水量を簡単に確認できる。
「微風」と「強風」に切り替えてドレンホースからの排水を比較すると、「強風」時のほうが、排水が少ないのが分かるので、除湿が少ない冷房ができているのを実感できるだろう。
このように排水が少なくなる冷房をおこなえば、室内の湿度は必ず上昇するはずだ。室内の冷房負荷を減らすことも大切だ。
窓からは熱の侵入が多いので、ブラインドは必ず使用するようにしたい。必要以上の換気も冷房負荷を増やす原因となる。
不快指数冷房は室内湿度が高くなるのだが、換気量が多い室内は通常の冷房でも湿度が高くなることがある。エアコンで除湿をおこないながら屋外から湿気が次々と侵入して室内湿度が高くなる場合だ。室内湿度だけを見て不快指数冷房と混同しないように注意したい。
56、風量と露点温度
「微風」運転では冷却器を通過する風速が遅くなり、空気が冷やされる時間が長くなる。 給気温度の露点温度は、「強風」運転時よりも低くなるので、給気中に含む水蒸気量が少なくなり、それだけ除湿量が多くなる。給気温度が下がれば下がるほど露点温度も下がり、給気中に含む水蒸気がさらに除湿されて、室内は乾燥状態になる。
「強風」運転にすると冷却器を通過する風速が速くなり、空気が冷やされる時間が短くなる。給気温度の露点温度は、「微風」運転時よりも高くなるので、給気中に含む水蒸気量が多くなり、それだけ除湿量が少ない冷房となる。
夏でも室内が乾燥するので加湿器を運転しているのならば、湿度70%の冷房も可能になるので、無駄な加湿をする必要はなくなるだろう。
「強風」運転で給気温度が高くなっても、給気風量が増えるので室内温度に変化はないが、除湿量が少なくなるので室内湿度だけが上がる。室内に湿度計を置いて「強風」運転にすると、湿度が上がっていくのを確認できるだろう。
57、吸気温度と給気温度
冷却器が冷えないと湿度の測定ができないため、冷却器の温度が下がる、エアコン始動10分後と「強風」運転で2時間経過後に、エアコン吸い込み口の温湿度と給気温度を測定した。
全ての給気湿度は測定時に湿度表示が上がっていき、100%になる寸前にデジタル式温湿度計の湿度表示が「OL」になった。100%がオーバーレベルなのだろう。給気は湿度が100%になるまで除湿をしているようである。同じ相対湿度100%であっても15.2℃100%と11.1℃100%では絶対湿度に大きな差がある。この差が通常冷房と不快指数冷房の湿度の差になるのだ。
「強風」は給気温度が高くても風量が多いので、顕熱を下げるための冷熱量は「微風」と同じだが、給気の絶対湿度を高くできれば、潜熱を下げるための冷熱量は少なくて済む。
潜熱低下分を顕熱低下のために使うことができれば、温度的にはエアコンの冷房能力にそれだけ余裕ができ、室温が下げやすくなる。
58、エアコンの冷房能力
エアコンの冷房能力はエンタルピを下げる能力でもある。エンタルピは空気のもつエネルギーであり、温度と湿度である。
温度を下げるエネルギーと湿度を下げるエネルギーが50:50だと仮定して、不快指数冷房をおこなって湿度を全く下げないで済むとすれば、除湿分の冷房能力を、温度を下げることに使えるようになるので、温度を下げる能力が2倍に増えることと同じなのだ。
室内の冷房負荷に対して相対的ではあっても、エアコンの冷房能力に余裕がでるのならば、インバーターエアコンは周波数を下げて冷房能力を落とす運転となるので、さらに除湿量が減るだけではなく消費電力量も減るだろう。
不快指数冷房は省エネ的にもこのような好循環を生み出していくことが可能となる。冷熱使用量の低減効果以上にエアコンの消費電力量が減るのはこのためである。
59、ファンコイルによる不快指数冷房
ファンコイルでもエアコンと同じ要領で不快指数冷房をおこなうことができるが、風量を最大にして不快指数冷房をおこなうのは、電動弁で温度による流量制御をおこなっているファンコイルに限られる。風量の切り替えのみで、室温による流量制御をおこなっていないファンコイルでは、熱交換量が増えるだけで不快指数冷房にはならず、増エネになるだけなので注意したい。そのような場合は空調機でおこなう不快指数冷房のように、冷水温度を上げて熱交換量を減らすことで除湿も減らすことができる。
冷水温度を上げることができないのならば、ファンコイル系統への循環流量を減らせばよい。冷水温度を上げられるだけ上げて、あとは流量を調整して、ファンコイルを「強風」で運転しても室内が冷え過ぎないようにするのだ。
冷水温度制御と流量制御と「強風」運転を効率よく組み合わせて、最適に調整したファンコイルでの冷房ができれば、エアコンでおこなう以上の不快指数冷房効果が期待できるだろう。
第65回理事会報告
ビルの省エネ指南書(62)
空調のチューニングポイント
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
不快指数冷房(11)
49、扇風機の風速
扇風機は首の上下角度によっても風速が変わって来るが、水平に近い状態で使用することが多いだろう。扇風機の背面に壁等があるよりも、部屋の中央に置いたほうが風速は早くなるが、扇風機を部屋の中央に置いて使うこともあまりないだろうから、襖を背にした位置で測定した。 
測定箇所によっても風速が変わってくるが、この測定箇所での「強」の風速は5.6㎧であった。 
「弱」の風速は2.2㎧で、「強」の約40%の風速であった。
50、エアコンの風速
冷房能力の大きなエアコンになると風量やファンの音も大きくなるだろうが、ビルではその他の音も発生している。日中ならば外から聞こえる音も大きいはずだ。エアコンの風量や音が気になることは無いだろう。 
エアコン吹出し口中央で測定した「強風」での風速は3.8㎧であった。6畳用エアコンの使用であるが、深夜であっても風量や音が気になることはなかった。

「微風」の風速は2.4㎧で、「強」の63%の風速である。扇風機よりもエアコンのほうが「強」と「微風」の差が小さいことが分かる。
51、消費電力と風量
この家庭用エアコンの送風時の消費電力は「強風」と「微風」の差が僅か4Wなので、冷房時の消費電力全体から見れば、気になるような電力ではない。「微風」から「強風」にすると風量は1.58倍になるが、消費電力は1.22倍にしかならない。
ベース電力である制御電力は風量にかかわらず一定であり、多分10W程度の電力を消費しているのだろう。 風量は風速×面積で計算する。面積はエアコンでは吹出し口の面積であるが、扇風機では送風面積とするべきだろう。
よって両方とも送風面積と表現する。扇風機は羽根の直径が30㎝なので、送風面積は中央のパネル部分の面積を差し引いても600㎠以上の送風面積があるのに対して、エアコンは60㎝×5㎝=300㎠なので、扇風機の半分の送風面積しかない。

表の数値でエアコン「強風」と扇 風機「弱」の風速に各々の送風面積をかけて風量として比較すれば、 エアコンの「強風」は、扇風機の「弱」よりも少ない風量となるので、エアコンを「強風」にしても、風が気になることはないだろう。エアコン「強風」の風が気になるのならば、扇風機「弱」の風のほうが気になるはずだ。 家庭の室内では人との距離も扇風機の方がエアコンよりも近いはずなので、体感的な風量は扇風機のほうがさらに大きくなる。 ビルでは、広い室内にある業務用エアコンの位置関係で体感風量が大きく変わって来る。ビルの室内は天井も高く、室内機は壁掛け式よりも天井埋め込み式が多いので、床面までの距離も大きくなり、人との距離も大きくなる。 家庭の場合以上に、エアコンを「強風」運転にしても風量が気になることはないだろう。
業務用エアコンの室内機は、天井埋込形では写真のような4方向吹出し形以外にも、2方向吹出し形、1方向吹出し形、床置形、壁掛形など種類が多い。 ビルは天井高の低い事務室でも家庭の天井より高く、扇風機を併用している部屋もすくないので、人の側で使用する扇風機と人から離れた位置にある業務用エアコンの風量を比較する意味はない。
「強風」時の音もビル外からの音の方が大きいはずなので気にはならないだろう。「強風」運転を試してみることだ。 マルチエアコンを使っているビルでは、それほど暑くない日や、在室人数の少ない時などは、冷房負荷が少ないので、室内機の運転台数を減らしていないだろうか。
例えば1部屋に2台の室内機があり、節電になると思って室内機を1台停止させて1台で「自動」運転や「微風」運転している場合は、たとえ1台運転で充分に冷房できるとしても、2台共「強風」で運転するほうが節電になる。 室内機1台運転よりも2台運転のほうが、冷房負荷が分散されるので、室内機1台当たりの冷却量が半分になり、給気温度がそれだけ上がり、除湿量も減るからだ。
室内機の運転台数が多いと、室内機の消費電力は多くなるが、たいした電力ではないので、「不快指数冷房」でそれ以上の節電が出来るのならば、室内機運転台数は多くても良いのだ。
しかし、室内機を2台運転したとしても、片方だけ温度を低く設定すると、その1台に冷房負荷が集中して給気温度が下がり除湿量も増えるので、1台運転と同じ結果になってしまう。
室内の温度分布もあるだろうが、できるだけ室内機2台の冷房負荷が均等になるように、設定温度も同じぐらいの温度にしたほうがよい。 室内機が複数台ある室内の場合は、「強風」にするだけで「不快指数冷房」ができる訳ではないので注意が必要である。
外気が乾燥する時期になると加湿が必要になる。 人の多いビルならば5月や10月でも冷房しているが、外気が乾燥しているので、「通常冷房」では室内湿度が40%以下になることもある。このような時期には、人が出す湿気を除湿しない冷房で、室内湿度を上げる効果がある。
第64回理事会報告
ビルの省エネ指南書(61)
空調のチューニングポイント
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
不快指数冷房(10)
44、エアコンでおこなう不快指数冷房
「不快指数冷房(5)」に、除湿量を減らすポイントは「送風ファンの風量が多い」とある。
まずは室内機ファンの風量を増やしてみよう。 エアコンの室内機風量は「自動」か「微風」に設定しているビルや家庭が多いだろう。
風量の「自動」は、室温とエアコン設定温度との差が大きい時は「強風」になり、温度差が小さくなるにつれて「弱風」「微風」と風量を自動調整するので、「微風」運転の時間が長くなる。
「強風」運転よりは「自動」運転のほうが、風量が少なく、ファン電力も減るので、節電になると思って「自動」にしているのではないか。 もしここで、風量は「自動」や「微風」よりも「強風」にしたほうが節電になると云われたら、それを信じられるだろうか。 室内機の消費電力量がファン電力分は増えるのだが、実際にエアコンの室内機+室外機の合計消費電力量を計測すると、「自動」や「微風」よりも「強風」運転のほうが、消費電力量が少なくなるのは実験結果の通りである。 「強風」にするとエアコンの給気温度が上がるので露点温度も上がり、湿度の高い給気となる。もし冷房時に室内が乾燥するので加湿しているのならば、加湿の必要はなくなるだろう。 室内温度が同じで湿度が上がれば不快指数も高くなるが、気流は増えるので、PMVとして考えた方がよい場合も出て来るだろう。 風量を増やす不快指数冷房は、温度設定は同じままで、風量設定を「強風」に切換えるだけなのでお金もいらず、3秒もあれば誰でも簡単にできるので手間がかからず、リスクもない。 この節電対策はエアコンでの冷房であれば、ビルでも家庭でも実施可能なので、ぜひ試していただきたい。
45、風量設定
冷房時に冷風を「強風」運転で室内全体へ循環できれば、温度ムラのない室内となるだろう。 我が家のエアコンでは、風量を「自動」にすると、沈み込んだ冷気によって足元が冷えるので、扇風機を「微風・首振り」で併用していたが、エアコン風量を「強風」にすると、扇風機が無くても足元が冷えることがなかった。「強風」運転で床面の冷気が掻き混ぜられているのだろう。 室内機ファン「自動」+扇風機「微風」よりも、室内機ファン「強風」だけのほうが、ファン電力が少なくて済むので、扇風機を併用するよりも節電になる。エアコンと扇風機を併用したほうがよいとよく耳にするが、「強風」運転を体験してから扇風機の必要性を決めればよい。 ただし、フィルターが埃で詰まっているようでは、いくらファンが「強風」でも、実質的な風量は減少する。「微風」や「弱風」の風量にまでなると、「強風」運転による「不快指数冷房」効果が少なくなってしまうので、フィルターの清掃は早めにおこなうように心がけたい。 フィルターが目詰まりすれば、除湿にエネルギーを使うことになるが、ある程度目詰まりさせて除湿器として使う考えならば、除湿器よりもエアコンの方がはるかに除湿能力は高い。
46、床面温度
54日間の消費電力量計測と同時に、床面から40㎝の位置に温湿度計を2台設置した。 これは毎日7:00時点での平均温度をグラフにしたものである。
単位:℃ ●通常冷房 ○不快指数冷房
設定温度が28℃でも、床面は沈んだ冷気で、さらに温度が低くなっていることが分かる。 「●通常冷房」は温度のバラツキが若干あるが25℃のライン上が多い。「○不快指数冷房」は温度のバラツキが少なく、26℃のライン上が殆どだ。「●通常冷房」と「○不快指数冷房」の床面温度は1℃の差になっていると云えるだろう。 エアコンは吸い込み口で温度を測定しているため、天井付近の温度が28℃でも、「●通常冷房」の「微風」では床面の冷気が循環せずに沈み込んだままになり、床面付近の温度が25℃にまで下がるのだろう。 「○不快指数冷房」の「強風」では床面の冷気も循環しているのだろうか、床面付近の温度が若干上がって26℃になっている。 「○不快指数冷房」の方が、温度ムラが少なくなっているはずなので、「●通常冷房」よりも床面から1mならば涼しく感じるはずだ。 暑いようならば目標とする不快指数になるように温度設定を下げてもよい。 室温28℃に設定した場合、「○不快指数冷房」で温度が26℃ならば、湿度70%の時は不快指数75.4である。75以上の不快指数ならば無駄のない冷房だと云えるだろう。
47、床面湿度
同じく毎日7:00に、2台の温湿度計で測定した平均の温度と相対湿度を使って、絶対湿度に換算したグラフである。室内空気の湿度は、温度によって変化する相対湿度ではなく、絶対湿度の水蒸気量で比較する。 
単位:g/gD.A. ●通常冷房 ○不快指数冷房
温度とは類似性のないグラフとなっている。 「●通常冷房」は比較的上下のバラツキが少ないグラフである。外気湿度に関係なく、一定のレベルまでは除湿しているようだ。 「○不快指数冷房」は上下のバラツキが多いグラフである。除湿量が少ないために、外気湿度の変化がそのまま表れているのだろう。 グラフの右辺では外気湿度が低くなっているのか、湿度の低い日が多く、「●通常冷房」と「○不快指数冷房」の湿度差が小さくなっている。 温度差は1℃でほぼ一定なので、消費電力量の差がグラフの右辺で小さくなっているのは、絶対湿度の差が影響しているからだろう。 エアコンで温度を設定しても湿度は成り行きである。これだけ湿度が違えば体感的な差も大きくなるので、室内湿度に応じて冷房温度を変え、不快指数が75になるようにできれば、体感的な差もなくなり、無駄も冷房も少なくなる。 これが「不快指数冷房」の目的の一つでもある。
48、ファンの消費電力
エアコンを「送風」運転にして、「強風」運転時の消費電力を計測すると22W、「微風」運転時は18Wだった。「強風」と「微風」の消費電力には僅か4Wの差しかなかった。 業務用エアコンではもう少し消費電力差が大きくなるかもしれないが、室外機も含めたエアコン全体での消費電力量からみれば、室内機送風ファンの電力量は僅かの差である。 風量を気にする人がいるかもしれないので、比較するために扇風機と家庭用エアコンの風量を「強風」と「微風」に分けて測定する。 扇風機の風量は「強・中・弱」で、エアコンは「強風・弱風・微風」となっているので、扇風機の「弱」はエアコンの「微風」と対比させる。 エアコンによっては風量が4段階や5段階に切り替えできる機種があるが、その時は一番弱い風量を「弱」とすればよいだろう 風量は風速×送風面積なので、風速計で「強」と「弱」の風速を測定して比較する。
第63回理事会報告
第62回理事会報告
第61回理事会報告
ビルの省エネ指南書(60)
空調のチューニングポイント
東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡
不快指数冷房(9)
38、保温工事
天井裏全面に湿度侵入防止も兼ねて、片面にアルミ箔を貼ったグラスウールを敷き詰めたので、除湿器に溜まる水がかなり減ると予測した。

翌朝、保存室の除湿器を見に行くと、タンクに溜まった水は工事前と同じ量であり、夏季になると除湿量は保温工事前と同じく、タンク満水の5L×2回の除湿量であった。
片面アルミのグラスウールで湿度の侵入を防げなかったということは、天井から侵入しているのではないのだろう。毎日これだけの湿度が何処からどのような経路で保存室へ侵入するのかという疑問は残るが、外壁からの伝導か小さな隙間からの侵入と思うしかない。
湿度のコントロールが難しく、侵入を防ぐことも難しいのならば、いくら除湿をおこなっても際限のない無駄の繰り返しになってしまう。
湿度的には全く効果のなかった天井裏の保温工事であったが、温度的には非常に効果があった。温度は天井から侵入していたのだろう。
保存室の保温工事後はビルの消費電力量が3%減ったのは、この保存室のエアコン電力削減効果だと思われる。
39、保温工事の結果
湿度の侵入は防ぐことができなかったが、温度の侵入は防ぐことができたので、エンタルピと不快指数の数値的な比較だけではなく、実践的にも温度を下げて湿度を下げない不快指数冷房の省エネ性が確認できた。
温度も湿度も高いところから低いところへ伝わり、その差が大きくなればなるほど伝わりやすくなり、それだけ伝導量も増える。
冷房温度を下げて外気温度と室内温度の差が大きくなっても、保温により外気温度の室内への侵入や伝導を防ぐことができる。
室内を除湿しないようにすれば、外気湿度と室内湿度の差が大きくならないので、外気湿度の室内への侵入や伝導が最小限に抑えられる。
不快指数冷房をビルや家庭のエアコンでおこなうと、どれだけの節電効果があるのか、実際におこなってみることにした。
40、ワットチェッカー
小規模ビルや家庭ならば、エアコンで冷房をおこなっているだろう。不快指数冷房をビルの空調機ではなく、エアコンでおこなうことができれば、ビルでおこなえるだけではなく、家庭でもおこなうことが出来るので、全国的な節電効果は非常に大きなものになる。
ビルのエアコンで不快指数冷房の節電効果実験をしたかったが、ビルの場合は数部屋掛け持ちのマルチエアコンも多く、人の出入りが多ければ室内冷房負荷も一定ではなくなる。天候によっては日射の影響も違って来る。これでは正確な比較ができるはずもない。
室外機1台と室内機が複数台で、電源も室外機は三相の場合などもあり、エアコン1台の消費電力量を計測するのも簡単ではない。

その点、家庭ならば壁のコンセントにワットチェッカーを取り付けるだけでよいので、1部屋1台のエアコン消費電力量の計測が容易である。
ビルのエアコンでも家庭のエアコンでも不快指数冷房効果は同じなので、家庭のエアコンで計測して、消費電力量を比較することにした。
41、消費電力量の比較
グラフは家庭の6畳間にあるコンセントにワットチェッカーを取り付けて、エアコンの温度設定は28℃のまま、今日は「通常冷房」、翌日は「不快指数冷房」というように1日置きに切り替えて、毎日の消費電力量を計測したものだ。前年同月の消費電力量と比較するよりも、この方が正確な比較ができるだろう。
エアコン運転時間は23:00~翌7:00までの8時間で、夜間なので室内にも室外機にも日射の影響は全くない。外気温度の影響はあっても、1日置きに切り替えての計測なので、外気負荷が平準化されて、計測期間中を合計した消費電力量の比較にはそれほど影響はないだろう。室内はテレビも無いし照明も点灯していない。人は私一人だけなので、室内での冷房負荷は8時間一定に保つことができる。

単位:kWh 通常冷房日(ピンク色) 不快指数冷房日(緑色)
グラフを見ると、結果は一目瞭然である。
平成26年7月27日から9月18日までの54日間の計測合計では、通常冷房日が34.62kwh、不快指数冷房日が24.52kwhで、不快指数冷房にすると約30%の節電効果があった。
日毎の消費電力量が違うのは、外気温度の影響である。9月に向けて徐々に外気温度が下がると共に、消費電力量も減っているのが分かる。
グラフの消費電力量は、外気湿度の影響を受けているのか、「通常冷房日」は全体的に上下にバラツキの多いグラフだが、外気湿度の影響を受け難い「不快指数冷房日」は上下のバラツキが少ないグラフなのが特徴的である。
42、冷房負荷と節電率
グラフでは消費電力量が減るに連れて節電率も減っている。外気温度だけではなく、湿度も7月をピークとして徐々に低くなっているのだろう。湿度が低ければ不快指数冷房の節電効果も低くなるから節電率も低くなるのだ。
家庭の場合は人の出入りが少なく、換気もおこなっていない場合が多いので、外気が入って来る機会が少なく、除湿に使うエネルギーはそれ程多くはないだろう。ビルの場合は人が多くて、換気と外気侵入が多いほど除湿に使うエネルギーが多くなるので、家庭よりもビルのほうが、除湿に使うエネルギーを少なくする不快指数冷房の節電効果は高くなるはずだ。
冷房だけの節電効果なので、年間での節電量は5%程度かもしれないが、夏季はエネルギー使用量の50%前後を冷房で使っているビルが多いので、冷房電力の30%が節電できれば、電力デマンドが15%下がる計算になる。これだけの節電効果があれば、電力会社の電力供給力にも余裕が出ることだろう。
43、3秒でできる不快指数冷房
エアコンで不快指数冷房をおこなうのは、空調機でおこなうよりも簡単だ。3秒もあればビルや家庭のエアコンでできるからだ。
3秒で費用もかけずに簡単に実施でき、冷房電力の30%が節電できて、デマンドが15%下がるのならば、文句の付け様がないはずだ。試してみる価値と時間はあるだろう。もし駄目でも3秒で元に戻せるのだ。
次に不快指数冷房をおこなう方法を説明する。















