ビルの省エネ指南書(12)

ビルの省エネ指南書(12)

空調機のチューニングポイント〔其の3〕

中間期(1)

1、 外気冷房

中間期は外気をどれだけ冷房に利用できるかが決め手である。

外気冷房用のバイパスがある空調機ならば、空調機の各ダンパーは出来るだけ全開にしたい。バイパスがない空調機ならばSA、OAダンパーは全開、RAダンパーは出来るだけ閉める方向で調整が必要だろう。1年中同じダンパー開度のビルもあるが、それでは効率的な外気利用ができるはずもない。

排気に関しては熱気のこもった場所からビル内の気圧を利用して排気したほうがよいだろう。負圧のビルでは逆に熱気が下りてきて暖房になってしまう可能性もあるのでビル内の気圧を保つダンパーの調整は重要である。

空調機からの排気だけを考えるのではなく、ビル全体のバランスを考えた排気の調整が大切なのだ。

2、中性能フイルター

空調機内に中性能フイルターがある空調機はフイルターの目詰まりにも注意したい。排気にはフイルターがないためスムーズに排気ができるが、中性能フイルターの目詰まりにより給気がスムーズにできないということは、この部分だけをみれば負圧になるということでもあるので注意したい。

フイルターの清掃方法だが、フイルター表面に付着している粉塵ならば吸気側を下にして、フイルター枠の周囲をゴムハンマーで軽く叩けば取れるだろう。しかし何年も使っている中性能フイルターならば粉塵が濾材の中に入り込んで叩くだけでは取ることはできない。こうなれば洗浄か交換しかないだろうが、もうひとつ方法がある。それは応急的に中性能フイルターを取外してしまうのだ。

3、プレフィルター

中性能フイルターを取外すとプレフィルターだけになるので、最低でも月に1回はプレフィルターの洗浄をおこないたい。清掃ではなく洗浄するのだ。この場合は上水の水栓から直接洗浄するのではなく、出来れば高圧洗浄機を使いたい。上水の圧力では取れない汚れも高圧洗浄機ならば見違えるように奇麗になるだろう。

上水の使用量も少なくて済み、洗浄時間も大幅に短縮できるので、節水にもなり洗浄作業の負担軽減にもなる。

4、給気量の調整

目詰まりした中性能フイルターを取外すとそれだけ空気抵抗がなくなり空調機からの給気量が増えるはずだ。その結果、室内の給気口で風切音がするようならば給気量の調整もしなければならない。

給気ファンがインバーターによる回転数制御ならば、インバーターの最高周波数を中性能フイルター取外し以前と同程度の給気量になるように調整すればよい。確実に給気ファンの回転数が下がるので省エネ効果は大きいだろう。

回転数が下がればファンの摩擦熱も減り、それだけ外気冷房効果も高くなる。

中性能フイルターを取外すだけで電力と熱の省エネが簡単にできるのだ。これは中間期に限らずに夏季や冬季に行っても構わない。

インバーターの最高周波数だけではなく最低周波数も見直せば空調機運転時間全てにおいて省エネができる。20%回転を落とすことが可能ならばファンの消費電力は50%近くも下がるため大きな省エネ効果が期待できるのだ。

給気ファンがインバーター制御でなければダンパーで調整するしかないが、この場合も給気ファンに対して吐き出し側のダンパーは全開で、吸い込み側のダンパーで調整したほうがよいのは「空調機のチューニングポイント〔其の1〕ダンパー」で説明しているとおりだ。