投稿者「福岡ビルメンテナンス協会」のアーカイブ

ビルの省エネ指南書(25)

空調機のチューニングポイント〔其の7〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

不快指数冷房(2)

5、表-1【温度・湿度・不快指数・エンタルピ】 

表-1【温度・湿度・不快指数・エンタルピ】は縦軸が温度で28℃から25℃まで0.1℃毎に、横軸が湿度で45%から60%まで1%毎の表である。

実際の空調では大体この範囲で納まるはずである。

各温度と湿度の交点は、上段が不快指数で下段がエンタルピである。

例えば28.0℃・45%の場合は不快指数が75でエンタルピが55.26kJ/㎏になる。

6、温度と湿度 

冷房では温度を設定するだけの温度制御が一般的であり、ビルの空調機でも家庭のエアコンでも同様である。これで温度は維持できるかもしれないが、湿度はどうであろうか。外気の湿度は常に変化しており、雨が降れば外気湿度が100%になってもおかしくはない。一方で外気が乾燥している日もある。これだけ外気湿度が変化すれば、換気のために外気を導入している室内の湿度が変化しないはずはない。つまり室内温度が一定であっても、室内湿度は常に変化していることになる。

室内温度が28℃だったとして、室内湿度が変化すれば室内空気環境はどう変わるのだろうか。

表-1の数値により作成したのが表-2である。

温度℃ 湿度% 不快指数 エンタルピkJ/㎏(DA)
28.0 45 75.0 55.26
28.0 50 75.7 58.33
28.0 55 76.4 61.42
28.0 60 77.0 64.51

表-2 温度28℃の場合

7、温度と不快指数 

表-2によれば温度が28℃で一定であっても、湿度が変われば不快指数が変わることが分かるだろう。これではいくら温度を一定に保っても、不快指数をみれば分かるように、体感温度が常に変わっていることになる。

なぜ不快指数が変わるのかといえば、空気のエンタルピが変わるからである。

エンタルピは温度だけではなく湿度によっても変わるために、いくら温度だけを28℃に保っても不快指数が一定にはならないのだ。

ビル内の方達は不快指数が常時変化している室内で働いていることになるのだが、温度が一定ならば不快指数まで気が付くこともなく、「今日は暑いな」と思うことがあっても我慢をするだけだろう。

8、エンタルピ〔kJ/㎏(DA)〕 

表-2にはエンタルピも記載している。

温度と湿度により不快指数を計算することはすでに説明したが、このエンタルピも温度と湿度により計算して得られる。

同じように計算するものであっても、計算的には不快指数とエンタルピは全く関係のないものであって、不快指数とエンタルピが一致していないことに注目したい。

表-3は不快指数を75とした場合の表である。 

26.5℃の場合は近似値としている。

温度℃ 湿度% 不快指数 エンタルピkJ/㎏(DA)
28.0 45 75.0 55.26
27.5 50 75.0 56.94
27.0 55 75.0 58.46
26.5 60 74.9 59.84

表-3 不快指数75の場合

不快指数が同じであってもエンタルピは同じではないことが分かるだろう。

この不快指数とエンタルピの違いを利用するのが不快指数冷房のポイントである。

H24.6月号ビルメンFUKUOKA(2)

平成24年度毒物劇物取扱者試験の実施について

毒物及び劇物取締法第8条第1項第3号及び同法施行規則第7条の規定に基づき、

「平成24年度毒物劇物取扱者試験実施要領」のとおり実施されます。

日時:平成24年8月7日(火) 10:00~12:00

場所:第一薬科大学(福岡市南区玉川町22番1号)

●平成24年度毒物劇物取扱者試験実施要領→

*福岡県保健医療介護部業務課のホームページにも掲載されています。

 http://www.pref.fukuoka.lg.jp/b02/dokugekishiken.html

平成24年度 福岡PPPプラットフォーム〔第1回セミナー〕

平成24年度 福岡PPPプラットフォーム〔第1回セミナー〕

日時:平成24年6月7日(木)  13:30~15:30(*13時より受付開始)

会場:天神ツインビル 14階会議室 (福岡市中央区天神1-6-8 )

定員:先着150名 *1社あたり2名以内

参加費:無料

申込締切:6月4日(月)17時必着

主催:福岡市

●開催案内(チラシ)はこちら→

●参加申込書(チラシ)はこちら→

平成24年度「前期研修セミナー」(九州ビルヂング協会)の開催について

九州ビルヂング協会・(社)福岡ビルヂング協会の主催による平成24年度の前期研修セミナーの開催

1.日時    平成24年7月13日(金) 13:30~15:30

2.会場    電気ビル本館 地下2階 『8号会議室』

         福岡市中央区渡辺通2-1-82

3.テーマ   「ビル賃貸借の法的諸問題と実務的対応」

4.講師    海谷・江口・池田法律事務所

            弁護士  江口正夫 氏

●開催案内(チラシ)はこちら→

●受講申込書はこちら→

再生可能エネルギーの固定価格買取制度説明会

再生可能エネルギーの固定価格買取制度説明会

・資源エネルギー庁及び全国地方経済産業局では、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」について、設備認定・減免認定等の実務的な内容をふまえた制度説明会を各地で開催します。本制度への理解を深めていただくのに是非この機会をご活用いただければと思います。

・詳細および申し込みについては、経済産業省 資源エネルギー庁のホームページ

           http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/meeting.htmlでご確認下さい。

ビルの省エネ指南書(24)

空調機のチューニングポイント〔其の6〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

不快指数冷房(1)
1、冷房とは
冷房とは温度を下げることだと思っている人が多いのではないか。
しかしここで、冷房とは温度を下げることではなく、空気のエネルギー量を下げることだと思うように頭を切り替えてはどうだろうか。そうすれば新しい冷房の仕方が見えてくるだろう。
この空気のエネルギーがエンタルピである。
エンタルピは温度だけではなく湿度にも関係してくるので、湿度のコントロールが重要となる。
不快指数冷房は温度と湿度と不快指数とエンタルピを総合的に考え、エンタルピをできるだけ下げないようにしながら、不快指数を下げるように温度と湿度をコントロールして、省エネと快適性を両立できるようにすることがポイントなのだ。温度だけを基準にする冷房ではないのが、不快指数冷房の特徴である。
2、湿度制御
一般的な空調機ならば冷房時は温度を制御するだけで湿度までは制御していないだろう。冷房で湿度を制御するのは、電算室や保存庫などの恒温恒湿の部屋ぐらいであり、居室よりも低い温度の場所であることが多いだろう。
暖房時ならば加湿をして湿度を維持するということも可能である。設定湿度になるまで加湿を続ければよいのだが、外気導入量が多くて外気が乾燥しているとなかなか設定湿度にならないことがある。特に温度と湿度の設定値が高い場合はそうだろう。温度が高いと相対湿度が低くなり、湿度の設定値までが高いと、絶対湿度をかなり高めなければならなくなるので、いくら加湿をしても追いつかないのだ。
湿度が追いつかないのならば室温を上げるように自動制御できれば室内空気のエンタルピは保てるが、そのような温度制御ができる空調機はないだろう。よって室内は設定湿度よりも低い湿度になり、室内エンタルピも一定に保つのは難しくなる。
冷房の場合は暖房とは逆に除湿となるので、除湿量をコントロールするのがさらに難しい。
暖房のように温度と湿度を個別に制御できるならばまだやりようがあるが、冷房の場合は温度の制御だけで、制御をすることができない湿度まで制御しなければならないからだ。
3、不快指数と省エネ
冷房温度は28℃にするようにといわれているが、28℃では暑いので湿度を下げて快適にするというビルもあるだろう。つまり温度を下げる代わりに湿度を下げて快適性を維持するという方法である。果たしてこの方法が省エネになるのかを、省エネの観点から考えてみたい。
冷房するということは除湿するということでもあるので、湿度を下げることはできるだろう。
しかし温度を28℃に保ったまま湿度を下げたときのエンタルピはかなり低くなる。冷房が空気のエネルギーを下げることだとすれば、エンタルピが低くなるということは冷房のエネルギーを多く使うことにもなる。湿度を下げるだけでもエンタルピが下がるので、快適にはなっても省エネにはならないのだ。
4、不快指数の計算方法
不快指数とは体感的な温度を数値にしたもので、計算方法が何通りかある。
空気環境測定時に湿球温度を測定しているのならばこの式を使えば計算が簡単だ。

不快指数=0.72×(乾球温度+湿球温度)+40.6

相対湿度しか分からない時は、少し計算が長くなるが下の式のどちらかを使えばよい。

不快指数=0.81×温度+0.01×相対湿度(0.99×温度-14.3)+46.3

不快指数=1.8×温度-0.55(1-相対湿度/100) ×(1.8×温度-26)+32

第34回アビリンピック福岡2012 選手募集

第34回 アビリンピック福岡2012

開催日 平成24年6月2日(土)
時 間 10:30~
会 場 国立県営福岡障害者職業能力開発校
     北九州市若松区大字蜑住(あまづみ)1728-1

● 案内はこちらをクリックください(pdf)

● 申込用紙はこちらをクリックください(pdf)

ビルの省エネ指南書(23)

空調機のチューニングポイント〔其の5〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

加湿(4)

9、滴下式

滴下式とは写真―4のように上から滴下する水が膜に浸透しながら蒸発する加湿方式だ。

 

写真―4 空調機の加湿用浸透膜

あるビルで加湿運転している空調機の浸透膜が見えるように点検口を開けて確認したところ、かなりの量の水が蒸発せずに浸透膜下部より落下して排水口に流れていた。

 

写真―5 空調機内部の排水口

写真―5のように排水口の周囲が濡れているのが蒸発しなかった水であるが、多分この水は暖房給気温度に近い水温であろう。

写真―6の加湿用給水栓を調べたところ全閉から全開までが9回転で殆ど全開の位置に調整されていた。これを全閉にしてから徐々に開いていったところ、半回転開けても水が出なかったが、これは水栓の遊び部分であろう。それから1/4回転開けると水が流れてきた。

全閉から僅か3/4回転開けただけであるが、これだけの給水量でも水は完全に蒸発せずに浸透膜下部から垂れて排水されていた。1/4回転開ではこれ以上閉める訳にもいかず、外気湿度によっても蒸発量は変わってくるので、この程度の排水量は仕方がない。

 

写真―6 加湿用給水栓

給水量の違いを実感するために家庭の水栓を1/4開けたときと全開にしたときの水量を比較すれば、この給水量の差がどれだけの日使用量になるのかは想像できるだろう。

給水栓全開での無駄な垂れ流し状態が見えているならば誰でも無駄だと思って給水栓を絞るだろうが、運転している空調機の加湿状況は空調機に点検口がなければ見ることはない。

停止中となると加湿も停止しているため気が付くこともないのである。

10、4台の加湿チューニング効果

11台ある空調機の内4台が滴下式である。この4台の加湿用給水栓を調整したが、室内湿度も以前と変わっておらず、給水が多ければよい訳ではないことが実証できた。滴下式でも少ない給水量で湿度は維持できるのだ。

11・12月は前年比で上水使用量が6.9%も増えていたが、加湿チューニング後の2・3月は12.6%も減り、かなりの節水効果があった。熱は前年度の2・3月と比較して4%減であった。前年よりもかなり寒い年であったが、これも加湿チューニング効果なのであろう。

ビルの省エネ指南書(22)

空調機のチューニングポイント〔其の4〕

東洋ビル管理株式会社
省エネルギー技術研究室
室長 中村 聡

加湿(3)

7、総合図書館の上水使用量

表-1は総合図書館における平成10年度と平成20年度の上水使用量を比較したものだ。

館内湿度は40%ぎりぎりを維持している。

1・2月は常時加湿をしている時期であり、7・8月は加湿することはないため、比較に使用するには最適な時期である。

地域冷暖房のため冷却塔はなく、トイレは中水を使っている。加湿以外での上水使用量は、図書館利用者が直接使うものが殆どでなので、来館者数により増減する。

  平成10年度 平成20年度
7・8月使用量 520㎥ 453㎥
7・8月開館日数 52日 52日
7・8月の日使用量 10.0㎥/日 8.71㎥/日
1・2月使用量 1,196㎥ 495㎥
1・2月開館日数 46日 46日
1・2月の日使用量 26.0㎥/日 10.76㎥/日
日使用量差 16.0㎥/日 2.05㎥/日

表-1 上水使用量

この表によると平成10年度と平成20年度の、加湿をおこなっていない7・8月の上水使用量は520㎥と453㎥で13%減となっているが、加湿期の1・2月を比べてみると平成10年度の1,196m3に対して平成20年度は495m3と半分以下にまで減っている。開館日当りの日使用量差を比較すると16 m3/日-2.05 m3/日=14.05m3/日となり、こんなにも減っているのだ。この上水使用量の差が全て加湿によるものだと断言はできないが、加湿チューニングが大きな要因であることは間違いないはずだ。

冬季と夏季の日使用量の差が加湿に使用している水量だとすれば、平成10年度はこれだけの水が蒸発せずに空調機内で温熱を奪い温水となって排水されていたことになる。この数値をみればいかに効率よく水を蒸発させることが大切なのかが分かるだろう。

8、疑問点

ただし表-1の数値には疑問点があるので説明したい。

7・8月は学校が夏休み期間中であり来館者が最も多くなる時期である。それに比べて1・2月は来館者が多いとはいえない時期である。

来館者が多ければ水の使用量が増える訳だから、7・8月のほうが1・2月よりも多くなるはずである。よって、日使用量の少ない1・2月と日使用量の多い7・8月の数値を比較することは正確とはいえない。よって7・8月の日使用量を少なくするか1・2月の日使用量を多めにして計算するほうが正確であろう。

次に開館日の日数で割ることにも若干の疑問が残る。休館日であっても一部の空調機は運転しており、十数名の人が居るのであるから、開館日より少ないとはいえ水の使用量はゼロではない。しかし条件的には1・2月も7・8月も同じであり、休館日の使用量は開館日と比べて極端に少ないため無視することにした。

これらの疑問点があることを考慮して計算すれば、平成10年度と平成20年度の日使用量差は、表-1での計算値14.05m3/日よりも増えることになり、15m3/日以上になるのではないかと推測する。つまり加湿チューニングをおこなう以前は15m3/日以上もの温水を無駄に捨てていた可能性があるのだ。

ビルの規模や用途、加湿装置の種類、加湿状況、設定温度・湿度によっても違ってくるので、あくまでも参考の数値と思っていただきたいが、もし60℃の熱コイルにスプレーしても蒸発しなかった、これだけの量の温水が捨てられているとすれば、どれだけの熱エネルギーを捨てていることになるのだろうか。

気が付かないままに、これが現実となっているビルがないとは限らない。

(財)省エネルギーセンター「ビル省エネ診断技術者認定研修」のお知らせ

(財)省エネルギーセンター「ビル省エネ診断技術者認定研修」

・対象者:ビルの設備管理者、設備業者、コンサルタント等

・開催日:平成24年6月21日(木)~22日(金)《2日間》

・会場:福岡商工会議所 406会議室 (福岡市博多区博多駅前2-9-28)

・募集人員:40名(定員となり次第、募集終了となります。)

・申込期間:平成24年3月16日(金)~5月18日(金)

●団体申込みのご案内(チラシ)はこちら→

・その他:詳細および申し込みについては、(財)省エネルギーセンターのホームページ

           http://www.eccj.or.jp/education/build-diagnosis/01.htm1でご確認下さい。

(公社)全国ビルメンテナンス協会 平成24年度定時総会〔TV会議放映〕のご案内

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会の平成24年度定時総会をTV会議システムによって放映いたします。

会員の方で聴講のご希望がございましたら、是非ご聴講下さい。

1.日時  平成24年7月27日(金) 13:00~16:20

2.場所  公益社団法人福岡県ビルメンテナンス協会  会議室